お寺 西面 瓦桟
今日は、瓦を留め付ける「桟木」を取り付けて、瓦の大きさに合わせて墨付けをするための印をしています。
屋根は四角形に見えますよね?四角形ではありますが「直角」ではありません。古い案件では「軒先」と「棟」では幅の寸法が違う事が良くあります。
これは、目線が近い軒先では幅が広く、遠い棟では狭く見える錯覚を防ぐ為に「棟部」は「軒先部」より意図的に広く施工してあります。このような屋根を「かぶり屋根」誤差を「かぶり」と呼んでいます。
瓦葺きでは、この誤差をカバーするために、幅の印の調整が必要になります。今回の案件は、軒先と棟で1尺3寸(393.9mm)約40cmもの誤差がありました。
誤差は墨付けを工夫すると共に、写真右側の「下がり丸」でカバーします。腕の見せ所ですね!
弊社では、全ての案件で採用していますが「桟木」のジョイント部分や「節」と呼んでいる部分は、強度が弱いので「ジョイント」で、補強します。特に、今回のような、メンテナンスが難しい案件では、全てにおいて妥協を許さない施工が必要ですね!
屋根の端部では、瓦に最適な勾配を実現するために様々な寸法の部材で調整します
瓦の寸法に合わせ墨付けをすることを「割り付け」と呼んでいます。「瓦めくり」や「桟木の取り付け」等は、大勢でできますが「割り付け」は基本1人で行います。後工程や作業の仕上がりに大きく影響する重要な仕事ですので、大変なプレッシャーです。
割り付けには前述した「屋根の条件」に加え「瓦は焼き物なのでその微妙に大きさが違う」等の条件も加わりセンスが問われます。
「みんなが、効率よく作業できる」「仕上がりが美しくなる」為の重要な責務を担う「割り付け担当」がおられることを皆さんに知ってもらいたいです!