一文字カッター

2024年2月11日

先日、雨天で現場が休みだったので、弊社が請け負っている「一文字軒先瓦の合端作業」という仕事をさせて頂きました。

「一文字軒先瓦」の施工は「職人の腕の見せ所」です。

「一文字軒先瓦」とは「軒先瓦」の仕様名で「たれ」下端が一直線になった形状です。

すっきりとした印象の瓦で「目地」が良く見えるので、予め瓦を加工してから施工します。

瓦を加工する事を「合端・あいば」と呼んでおり、今回紹介する作業になります。

「一文字軒先瓦」の「合端作業」は「一文字カッター」と呼んでいる専用の機械を使用します。大変高価で、あまり使用する機会も少ないため「持っていない」「使用できない状態である」瓦屋さんも多いようで、弊社も使用する機会があまりありません。

弊社は、機械を瓦の製造メーカーさんに常時、設置させて頂いて、下請け業者として「合端作業」を請け負っています。

瓦をセットして、ハンドルを下げると、自動的に切断(黄色部分)していきます。予め、指定された寸法に機械を調整します。

写真で回転している刃(赤色部分)は、S45Cと呼んでいる鉄にダンヤモンドを配した部品で「カップホイール」と呼んでいます。

過熱を防ぐためにホースで水道水(水色部分)を掛けながら作業します。周囲が、粉交じりの水で汚くなるので、沈殿槽の為の「舟」を使用します。

刃の損耗も激しいので、維持経費が結構掛かります

慎重に下げないと「欠け」を起こします。中腰で操作するので、腰が痛くなります。自分も水浸しになるので、雨合羽の着用が必須です。

「雀口・すずめぐち」と呼んでいる部分です。

反対側を「差し込み口」と呼んでいます。左右、2カ所切断します。

仮置きです。作業の目的は「雀口」と「差し込み口」を綺麗に合わせる事です。

工場で作業しているので、運搬の手間もかからず合理的です!

天候に左右されることが多い、僕達にとって、雨の日でも作業できるので、とても助かる仕事です。

製品はすぐに欠けるので、取扱注意です。写真は、ハンドルを上げる際にどうしてもできてしまう「欠け」です。とても繊細で、作業を開始してから機械の調子が出るまで少し時間がかかります。

「雀口」がありません

最近は「合端作業」を必要としない「一文字軒先瓦」も増えてきましたが、昔ながらの「一文字軒先瓦」もまだまだ健在です。

地味な作業ですが、美しい屋根の為に頑張っています!