屋敷林の手入れ

2023年9月17日

僕たちが住んでいる「砺波平野」の古民家では、家の周りに「屋敷林」あるいは「カイニョ」と呼ばれている防風林が植えられている事が多く「散居村」と呼ばれる散村風景と併せ文化的にも認められた地域の誇りとなっています。

「屋敷林」は、大きくなりすぎないように定期的に「枝打ち」や「落ち葉等の清掃」等の管理が必要ですが、生活様式の変化や住民の高齢化等により管理が難しくなってきています。

先日、親しくしている業者さんの「管理が難しくなった屋敷林の伐採作業」のお手伝いをしてきたので、紹介したいと思います。

「生垣」や「樹木」の剪定も請け負っておられます

写真の案件のように、伐採する樹木のすぐ横に「生垣」や「塀」がある場合は、倒すことができないので、レッカーを使用しながら職人さんが木に登って、適切に切り分けて下ろしていきます。

事前の立地条件の確認が重要ですね!

花粉や害虫も悩みの種です

専門の「きこり」さんが、順に切っていきます。見ているだけで怖いですね!

枝葉もかつては「薪」としても重要だったのでしょうか?

樹木の先から順に下りてきます。ワイヤーのバランスが重要です。

「枝葉」と「木」は分別して搬入が必要なようです

下ろされた「幹」は、枝葉を切り落とし、積みやすいように、できるだけまっすぐな「丸太」へ仕上げます。

「レッカー」の使用の可否や「搬出の動線」等の条件も大切です

切り取られた「枝葉」は、ダンプへ積み込んで処分場へ運ばれます。ダンプは、弊社が使用しない時に貸し出しており、今回は運転手のお手伝いもさせて頂きました。

他に「チッパー」と呼んでいる破砕機を使用して、現場でチップにして撒き散らしておく仕様があるようです。

木材でこのような部位は使用価値がなく、僕達は「死節・しにぶし」や「ボカ」と呼んで毛嫌いしています

伐採した樹木を木材として利用できないかと漠然と考えていましたが「屋敷林」の多くは内部に空洞や腐食があり、建築材としての商品価値は少ないようで、主に「薪」として使用されるようです。

この案件では、瓦が破損してしまいました

「屋敷林」が強風で折れた事例です。特に「家屋や隣の樹木に近すぎる」「枝葉が伸びすぎたり樹高が高くなりすぎている」時は「枝打ち」等の定期的なメンテナンスが必要です。

「屋敷林」の伐採の理由の多くに「倒木の危険性」があげられます。

彼らが樹木の内部を食い荒らすのでしょうか?

伐採された木の中からは、虫がうようよ出てきました。彼らにとっては、大変な出来事だったでしょうね(笑)

適切な「間引き」が大切だと思いました

いよいよ、根元の伐採が始まりました。長い間、家族を見守ってきたので、とても残念ですが、仕方ないですね…

「散居村」と「カイニョ」といった景観保護も大切です。

このまま根元を放置する仕様と、掘削機で根っこも掘り起こす仕様があるようです。

こうして、作業を終える事ができました。枝葉の焼却(野焼き)も難しくなり、今後このような作業が増えていくのだろうと思います。

文化的に貴重な事も理解できますが、住民の方の苦労も分かるので、地域で一体となって適切な管理の方法を見つけていきたいですね!

業者さんの名前は(株)ハートグリーン富山さんです。ホームページでも紹介していますので、是非検索してみて下さい!