お寺 同時進行
週も新しくなった6月19日(月)より、屋根の左右の端部である「袖部」の作業が始まりました。
「袖部」の作業は「下がり丸」と「袖瓦」の施工から構成されます。
初めに「下がり丸」の下地となる「垂木・たるき」を取り付けてます。写真の部位では2列です。それから「下がり丸」の間に施工する瓦の幅寸法を測りながら加工して取り付けます。この加工により6月13日付のブログで触れた「屋根の傾き」を調整します。
作業は2人1組で、屋根上の職人が「採寸」と「取り付けを」足場上の職人が「瓦の切断加工」を担当します。
「下がり丸」の間の瓦を施工した後、端部の「袖瓦」を取り付けます。今回は、丸い飾りのついた「車袖・くるまそで」を採用しました。
僕たちが、瓦の作業を進めている間、反対側では、大工さんが先行して作業を進めています。施工範囲は軒先の左右の角に該当する部位ですね!
下から「化粧垂木」「茅負・かやおい」「布裏・ぬのうら」と呼んでいます。
「お寺」だけあって「布裏」も「ごっつい」です!今回、この部位は瓦をはぐった後に追加となった作業です。リフォームでは、着工後の追加工事も珍しくありません!
写真は交換した「茅負」や「布裏」を、既存の部位をくりぬいて「差し込んで」施工した所です。飛び出した部位に孔をあけて「棒」を差し込んで固定します。このような施工を「車知栓・しゃちせん」「込み栓・こみせん」あるいは「しゃち」「おせん」といろんな呼称で呼んでいるそうです。呼び方は、工務店によってまちまちみたいです(笑)
既存部分の加工は「やり直し」ができないので「慎重に」ですね!どのような構造になっているかは、はぐってみてからのお楽しみなので、考えながら作業を進めていきます。
交換された既存の「車知栓」が差してあった部材です。電動工具もない時代に「ノコギリ・のみ・カンナ」等で作ったのでしょうか?これから、何十年、もしかしたら100年以上後に誰かが僕たちの仕事を見る日が来るかもしれません。その時に、恥ずかしい思いをしないようにしたいですね!
このように、みんなで一気に進めるような工程はいったん終わり、職人さんが、順に黙々と作業を進める工程に差し掛かりました。見ている方々は、すぐにでも完工するのではないか?と思うかもしれませんが、そうはいかないのが「お寺」です!