瓦屋さんの日常 瓦葺き

2022年12月27日

先日紹介した、「瓦上げ」の続きを紹介します。

瓦が上がると、瓦を葺いていきます。写真が基本の姿勢。大事なのは、左手の瓦押さえです。この力加減が大事なんです。瓦は、焼き物なので、微妙にねじれがあるんです。瓦を押さえた時に、このねじれ具合が分かるんです。「あっ!これは下がりすぎだな!」とか「上がりすぎだな」って感じです。この微妙な力加減を駆使しながら、瓦を1枚1枚緊結していきます。ねじれは瓦上げの時に、台車に載せた瓦のシルエットでも分かりますよ(笑)

瓦葺きが終わると、自分が葺いてきた屋根を見て、一人で満足感に浸ります(笑)何人かで葺いていると、自分だけ遅れたりして恥ずかしい思いをすることもあります。自然と競争になったり、焦って雪止め瓦を入れる所を間違えたり(笑)

瓦葺きの時の職人の視線です。真上から見て、瓦桟の墨に瓦の切れ込みの角の部分を合わせて緊結します。ズレると、後で他の部位で墨に合わせられなくなって大変なことになります。瓦が重なる部分に、逆水防止のための堤防の役目の突起が見えますね

瓦は大事に扱わないと、切れ込み部分の防災の為の重なりが取れてしまいます。

今日は写真を撮り忘れてしまって、他の案件の写真ですけど、瓦葺きは、初めは軒先から。軒先瓦は、弊社では緊結2カ所プラス瓦ビス止め。以前にも触れましたが、この3点緊結が、令和4年から法令化されます。

3点緊結は、左右の端の瓦も一緒です。ちなみに、瓦の色は、銀麟って言いますが、滑りにくくて作業しやすいです(笑)

今日の案件は、縦の寸法もピッタリ。この部分が、少し足りなくて、手間をケチると棟部のカバー部分が少なくて何年後かに雨が漏る事があるんです。横から屋根を見た時に、瓦の大きさも棟部まで揃ってると見た目もきれいで、やったね!って思います。瓦の大きさが揃う事を「まもの」と呼んでいます。反対に、切らなければならい事を「はんきり」と呼んでいます。

写真は、屋根裏との換気部分。下地と瓦の空間が成せる瓦のいい所ですね(笑)桟木の下にも空間があるので、瓦の下もばっちりです。

図にするとこんな感じです!

瓦が干渉する部分は、この機械で切ります。レバーを下すと瓦が切れます。名前は、押切(おしきり)相撲の決まり手みたいですね?後、全然話が変わりますが、職人さんの左側の雪止め瓦の斜めの線、きれいに見えませんか?寸法がきちっと来るとこんなに美しいんです。写真を見ていて偶然思っただけなんですけど…

瓦を屋根に施工する事を 葺く って言いますよね?草+口+耳 です。昔の屋根は草。口でみんなを呼んで、耳で聞いたみんなが集まって作業をした様子から屋根を葺くになりました。僕たちの会社屋根を葺いています!

今日の作業はここまで。これからも職人さんの日常を紹介させて頂きたいと思いますので、次回もお楽しみください(笑)