「地震」と「瓦」

2024年5月17日

先日、新聞記事に「能登半島地震」での家屋の倒壊について「能登半島に在住する瓦店代表の意見」として、耳を疑うような記事が掲載されていました。

要約すると

①重い瓦が家をつぶしたと思い、今までの自分の仕事を後悔している

②屋根の重さで家がつぶれた

③瓦屋根ではなかったら、倒壊はせず、命が救えた

と言う内容です。

このような話を信じている方がおられるかもしれませんが、木造住宅の耐震性に詳しい専門家の現地調査の結果

「重い瓦屋根の家でも現在の耐震基準を守っていれば倒壊は免れている」

「倒壊したのは1981年以前に建てられた耐震基準がされていない家」

との見解が出ています。

詳しくは、コチラ

上記の説明のように、古い家では「瓦屋根」が多く、高い所にある瓦が、地面にあれば、被害の甚大さが伝わり易くなるので、どうしても瓦は悪者に見られがちだと感じています。

EPSON MFP image

上記の説明から、耐震に「瓦」は関係ない事が分かっています。

EPSON MFP image

私達は、製造メーカーさんと共に、一体となってこれからも必ず起こる災害に対して「製品」「工法」を進化させて続ける事が使命と考えています。

皆さんは、間違った情報に負けず、瓦の良さをどんどん知って頂きたいと思っています!

昨日の夜(4月17日)にも、愛媛、高知の両県を中心に最大震度6弱の大きな地震があったようです。

耐震の為の新商品である「防災のし」も発表され、既に多くの受注を頂いています。作業の様子を後日、このブログで紹介したいと思っています。

今回のような記事が出て、へこんでいたのですが、後日、嬉しい記事も!

氷見の街並みです

被災地である氷見市で、元市役所職員の方によって、能登半島地震で被害を受けた住宅の屋根瓦を「黒瓦」で再建するための基金「黒瓦ファンド」を設立し、資金集めに取り組んでいるという記事が掲載されました。

「氷見の、素敵な景観に黒瓦が貢献している事を多くの人に知ってもらい、再建の際に黒瓦を選ぶきっかけにしてもらえたらうれしい」

富山湾から立山連峰(氷)が見える事から「氷見」となったとの説があります。

「能登半島付け根の氷見から、先端まで黒瓦の素敵な街並みをお互いに励まし合って直していけたらと思う」

との嬉しいコメントが被災地から発信されてとても心強く思っています。

「南砺市・城端地域」です

伝統とは、脈々と受け継がれて熟成された技術や文化の事です。

「瓦」も時代に合わせて進化し続けている生き物です。

僕達の地元、家が散らばって建っている「砺波平野の散居村」の風景です。

今回の間違った情報が、僕達と同じ瓦業者から出た意見と言うのは、僕達にとってとても悲しい出来事でしたが、一般の方からこのような活動をして頂けるとは感激です!

これからも、多くの屋根材から「瓦」を選んで頂いた皆様の期待に応えるため、より一層、気を引き締めて「進化」します。