保険
先日、新聞を見ていたら、僕達が加入している「富山県瓦工事業協同組合」の広告が入っていました。
組合からも応援して頂いている気持ちが伝わってきて嬉しくなります。
内容を見ていると「保険金が出ます」「ガイドラインを遵守しています」という悪徳業者がいるようです。
確かに、普段からお客様に「保険に加入しているんだけど…」という相談は多く頂いています。そこで、今回は「保険」についてお話したいと思います。
8月27日の夕方、僕達の住んでいる地域では落雷を伴うすごい夕立があり、いくつか被害が出たようです。写真は、そのうちの1つで、瓦が割れてしまいました。
お客様は、保険に加入しておられ、今回の被害について適用をお考えとの事でした。
写真の案件は2021年の2月頃の案件で、屋根雪の重みで、軒先が折れてしまいました。
このように「自然災害」による損壊が保険の対象になります。対象には、直接被害にあった「屋根の補修」に加えて付属品である「雨樋」作業に必要な「足場の設置」2次的な被害である「室内の調度品やクロス」なども対象になる事もあります。
写真は「谷部」と呼んでいる部位で「部材の劣化」により、雨水が侵入して下地が腐食していた例です。このように「自然災害」が、直接の原因でない場合は、該当しない事が多いようです。
保険の申請の為には「写真」と「見積もり」が必要になる事が多いです。
写真の撮影に当たっては「損壊が実際に発生している」「損壊の部位」「仕様」等が判別できる。
見積もりの作成に当たっては、経過年数等はあまり考慮せず「自然の外力により発生した部位のみ取り合げる」という視点で作成しています。
チラシによれば「保険金が出ます」と断言している業者がおられるようですが、判断されるのは「保険屋さん」です。被害を確認したら担当者さんに加入条件や内容を確認する事が必要ですね。
「お客さん」「保険屋さん」との信頼が大切なので、保険が適用になるからといって、法外な金額設定や無用な工事の追加などは、僕にはできません。できるのは、正当な判断をして頂くために資料を用意して、一生懸命説明する事です。
同じ案件で、複数箇所で対応が必要な場合は、工区別に分けて工事名を付けます(例・下の屋根・北側・大棟積み直し工事など)
建物全体の写真や図面で各工区の位置を示し、工区別の「全体写真」と「ポイントとなるアップ写真」を、撮影していきます。
大きな案件では、写真に説明を添えて、ファイルにまとめてお渡ししています。
見積もりは、僕の場合は、このような書き方をするようにお願いされています。
ポイントは…
①「日付」損壊の日付と見積もりの日付の整合性がないとおかしいですよね?僕が作る見積もりでは、時系列が詳しくわかれば「〇月〇日の暴風雨による屋根の損壊」のような具体的な形でお渡ししています。
でも、気付かなかった等で、いつ損壊したか分からない場合もあります。その時は、正直に「損壊がおきた時期は分からないが、〇月〇日に気付いた」で大丈夫です。
②見積もりには「正確なお客様の名前(会社?個人?)+僕達の会社名と印鑑」が必要です。お客様の情報を細かくお伺いしますが、保険適用の有無にかかわらず、管理上、大変重要な事なので、ご協力お願いいたします。
③「工事の内容と数量」については、指定されている訳ではありませんが、内容は工程順に記載し、数量は「瓦の大きさを基準とした概数」です。設計図がある場合を除き、現場で、瓦の寸法を各部位で10枚ずつ計測した平均から算出しています。
記載内容にもありますが、保険の適用は「原状復帰」が原則なので、実際の作業は「うまく保険を使いながら、良い仕上がりをプラス」した工事が多いようです。
ビッ〇モーターの不正事件が世間を賑わせていますね。僕も普段から保険の適用に関する仕事を多く施工させて頂いているので、今一度考えさせられるニュースでした。
僕の好きな言葉は「天網恢恢疎にして漏らさず」です。「仏様が張る天の網は広くて一見荒いようですが、悪人を網の目から逃すことはなく、必ず悪事は罰せられる」といった意味で、不正受給や違法行為は論外ですが僕達の仕事も手を抜けば必ず事故や雨漏りにつながります。
組合加盟店として、正直な商売を忘れず、本当の意味で会員が「安心の証」となるよう頑張ります!