お寺 鬼瓦取り付け

2024年2月10日

「軒棟」の下地が完成して、いよいよ鬼瓦を取り付けます。鬼瓦は、冬の間から準備をしてきた、取り返しがつかない瓦です。一番目立つ部分なので、慎重に作業を進めます。

「抱きがね」は「下がり丸」の緊結ビスを利用して取り付けてあります

初めに「抱きがね」と呼んでいる鬼瓦を支える金具を「下がり丸」の頂部に取り付けます。

左側「下がり丸」の一番上の小さな瓦をグラインダーで切る時、指を切らないか怖かったそうです!

こだわりは、双方の部材の接続部分である「合掌」です。漆喰やコーキングは、便利ですが瓦ほど長持ちせず、見た目にも美しくありません。以上の理由から、弊社では、目に見える部位はできるだけ「瓦」を使用する事にこだわっています。「鬼瓦」と「下地を含めた合掌」が一体となって初めて美しい屋根ができると考えています。

「お寺」の屋根を見る機会があればぜひ注目して頂きたい部位です!

「抱きがね」については、鬼瓦を実寸してから制作する事により、実物に合った寸法や角度を求め、瓦の加工も併せて美しい仕上がりを目指しました。

「抱きがね」は鋼鉄製でメッキを施し、強度と耐久性を求めました

「鬼瓦」は、5つのパーツに分かれていて、各パーツをステンレス線で緊結します。前もって、緊結線を鬼瓦に通しておきます。通す部位が、狭いので時間と労力を要します。

瓦には「バリ」と呼んでいる鋭利な突起が残っている場合があり、ケガをすることもあります

「下部のパーツ」を「抱きがね」に載せて仮に緊結します。

「お寺」の屋根を見る時は、ぜひ「合掌」の仕上がりに注目してみて下さい!

前後左右から確認を繰り返し、ベストポジションを探します。

あらかた定まった所で「束」と「鬼瓦」を仮に緊結します。

弊社では、下部のパーツを下から「足」「胴体」と呼んでいます

弊社では「頭」と呼んでいる上部のパーツを差し込みます。

瓦のかけらで傾きを調整しました

瓦は「焼き物」です。ねじれや傾きがあって当たり前です。工夫して、調整を重ねます。

「つっかえ棒」は「棟の芯」にもなります

「頭」の位置も定まったら、仮の緊結を締め直し「つっかえ棒」をして、鬼瓦の取り付けは完工です。

キッチリ過ぎると「欠け」が発生します

緊結部分です。「不完全な形状を美しく組み立てる」作業でした。

目に見えない部分には「シール」を有効に活用します。

「抱きがね」には目立たないように塗装を施します

ここからは取り返しのつかない作業が続きます。一切の妥協を許さず、悔いのない作業を進めています。