安全対策

2024年12月7日

先日より、知床半島での遊覧船の沈没事故について、連日ニュースが流れ、胸が痛みます。

僕たちの仕事は、高所作業という事で、常に危険と隣り合わせです。

僕には、会社の宝である従業員を、安全に家族の元へ戻し「瓦葺き」という職業を、魅力的で誇りを持てるようにする責任があります。

事故が起これば従業員の家族や弊社はもちろん「施主様」「元請け様」にも迷惑が掛かります

言うまでもなく「瓦工事」は高所作業なので「作業床」の設置が不可欠です。

4月27日は「朝の内、雨が残るが曇り」という予報で、従業員の方には修理をお願いしたのですが、予報は大外れで、10時頃から後は大降りの雨…

屋根に登る事はできませんでした。

雨天だけでなく、寒い時期では晴天でも表面に「露」がついて滑りやすくなります。

残念ですが、修理のような案件ではキッチリとした足場を組むことは、予算的に無理です。

緊急に備えるために、小さな修理でも複数人で向かう配慮も必要な事もありますね。

梯子が風で煽られる恐れもあります。結束はサボらないようにしたいですね

ですので、修理をお願いした日は特に心配していました。

工事を中止した現場の判断に、僕はとても感謝しました。

ルールを守る事は会社のステータスにも関わります

写真のように、雪止め瓦が入っていない現場では、特に危険です。

その中でも黒い瓦は、濡れると特に滑りやすく危険。

瓦の上には葺きながら「瓦桟木」に引っ掛ける金具を使用して「屋根上足場」を作ります。

屋根が狭くて材料を置くスペースがありません

移動はできるだけ「足場」を使用してもらうようにしています。

材料や道具の仮置きスペースとしても有効です。

屋根上足場は、材料などを仮置きするスペースでもあり、作業には欠かせません。

2021年1月11日付のブログ「冬の点検」でも紹介しています。

瓦工事の後の「外壁工事」の為に残しておきました。

僕達の作業が完工した後でも、板金工事など、後工程(業者)の為に「屋根上足場」を残しておきます。

前述の通り、瓦の上は滑るのでケガの防止や不意の転倒による破損の予防にも役立ちますね(笑)

転ぶと部材に傷がついて、交換が必要になったりもします

昇降用のステージです。

「安全対策」と併せて「作業効率」がぐんと上がります。作業の内容をよく勘案して発注したいです。

狭い所では、足場がないと施工できません

細部まで、効率的にしっかりと仕上げるためには足場が欠かせません!

条件が悪い案件では、

ウインチ(梯子)を屋根に掛ける事ができない

トラックの横付けが出来ない

等の理由で瓦の投棄や荷揚げの時の動線に支障をきたすことがあります。

その際には、動線の確保を目的とした足場も追加となります。

作業を進めやすくするための想像力が大切です。

隣の田んぼに配慮しました

葺き替え工事などの際には、どうしても、周囲に埃や細かい廃材が飛散します。

トラブルの予防のためには、防塵ネットも必要です。

現場は「会社の顔」です。率先して見本となって、見ている人も安心できる現場作りが大切ですね!

作業環境も見られている自覚を大切にしています。

直接工事にかかる経費ではありませんが、事故やトラブルを未然に防ぎ、細部まで丁寧な施工を効率よく安全にできるので、コスト的にも十分見合っています。

米国の資料で申し訳ないのですが、死亡事故が発生しやすい危険な職業ランキングベスト20の内、建設・建築関連の職業が7つもランクインしています。

「屋根葺き職」はその中で1位で、全体でも「きこり」「パイロット・フライトエンジニア」に続いて全体でも3位にランクインしています。

仕上がりと同じくらいルールの順守が大切です。

地元の建築組合による「安全パトロール」での一コマです。

法令で定められ、各メーカーさんや業界団体もパトロールなどを実施するなど、一丸となって、みんなが笑顔で帰宅できるよう取り組んでいます。

足場などのハード面を紹介させて頂きましたが、弊社では、損害を与えてしまった時の「第三者賠償責任保険」従業員の為の「労災保険」退職後の「退職金・雇用保険」等、様々な意味での「安全対策」に努めています。

僕も、経営者としての自覚を持って、頑張っていかなければと、今回のニュースを見て改めて思いました。

皆様のご協力と、理解をお願いします!