@住宅の「瓦葺き替え」工事(53A)
「葺き替え工事」とは、瓦を新しく新調する工事で、今回の施工範囲は住宅の1階の屋根の一部でした。「屋根の形状が複雑」「他の部位との接続部分(以下取り合い)がある」といった条件では「付帯工事」があります。「取り合い」は「1階の屋根」で発生する事が多く「2階の屋根」に比べて面積当たりの価格も高くなる傾向があります。弊社では「施工部位は完全に仕上げる」「効率性及びコストパフォーマンスを重視し、継続的なメンテナンスもスムーズに行える」プランを提案しています。関連する説明を「実績B」「実績C」「実績K」「実績N」でも紹介しています。尚、この作業の様子は、ブログ「2021年10月4日付・瓦屋さんの日常 瓦めくりからの…」「10月7日付・瓦屋さんの日常 下葺き材からの…」でも紹介させて頂いています。
「外壁」と「瓦」を取り外し、廃材を分別しながら解体していきます。 着工日は晴天を選ぶので、天候による日程の変更があります。 当日は騒音や埃が発生するので、事前の「確認」「挨拶」「説明」が重要です。
今回は、既存の下地の状態が良くそのまま「4mm下地材(ベニヤ)」を、重なり部分が高くならないよう「交互に上下左右3cm以上重ねて」施工しました。下地の状態によっては「下地の補修」が必要になったり下地材を「12mm下地材(構造用合板)」に変更します。「下地材」を施工後「ゴムアスルーフィング」と呼んでいる「下葺き材」を、規定に併せて張っていきます。
写真部分は「谷」と呼んでいて、今回新調させて頂きました。雨水が集まる場所なので、弊社では「ゴムアス」を二重に張っています。「下葺き材」については「2021年4月24日付ブログ・大切なバックアップ」でも触れていますので、参照して下さい。今回「谷部」のメンテナンスを完了させた事により、今後のメンテナンスも効率的に進める事ができます。施工範囲の境界として「谷部」は適しています。「谷」の施工は実績Dや㉒でも触れています。
「たてさんテープ」と瓦を緊結する「桟木」を施工します。「たてさんテープ」による「下地」と「桟木」との隙間が、突発的に侵入した雨水を軒先へ流します。屋根下地の高低差を、厚さの異なる「桟木」を使用したり「桟木」の下に「パッキン」を入れるなどして調整します。「壁面」と「屋根面」の「取り合い」を「葺き止め」と呼んでおり「捨て水切り」という板金部材を取り付け、下葺き材の立ち上がりと併せて雨漏りに備えます。「葺き止め」の施工は実績㉑でも触れています。
写真の部位を「隅棟・すみむね」と呼んでいます。瓦を葺いた後「芯木」や「棟土」等を用いて「のし瓦」と呼ばれる瓦を交互に積み重ねて施工します。「隅棟部」も「谷部」程ではありませんが、作業範囲の境界として適した部位です。
美観的な目的で、鬼瓦に近い部分は「のし瓦」の段数を増やし、曲線を描くように積んであります。 増えた段数を「捨て」と呼んでおり「隅棟3段・捨て2段」と言った言い方をしており、直線に積む場合は「棒積み」と呼んでいます。砺波地方では、屋根の各部位で曲線を描く仕様が多く見られます。
写真部分を「折り返し」と呼んでいます。 今回採用した端部の「冠瓦」は「下がり破風・さがりはふ」と呼んでおり、通称「猫の顔」です。 最近では「動物」をモチーフにしたキャラクター商品も発売されています。
この後「外壁」と「樋」の工事、清掃や片付け等を経て作業は完了となります。 今回の案件では、軒先が長いので、屋根雪の負荷を考慮して「雪止め瓦」の位置が、通常より1列上になりました。「雨樋」「屋根」「外壁」まで下地も含めたメンテナンスとなり、大変満足できる仕上がりになりました。