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㉕「下がり丸」「みのこ」 メンテナンス工事

「鬼瓦」付近より軒先方向に向かって「冠瓦」が連なっていますが、このような仕様を「下がり丸」と呼んでいます。この案件では、それぞれ2列あります。

「大棟」と「隅棟」のメンテナンス工事を施工するにあたって「下がり丸」「みのこ」と呼ばれる部位も同時に作業しました。メンテナンスが必要な部位は、各「棟部」だけでしたが「下がり丸」と一体化しており、同時施工が「経済的」「効率的」で、今後に備える為に併せて作業させて頂きました。今回は、一連の作業の内「下がり丸」と「みのこ」の作業について紹介させて頂きます。今回ご紹介する案件は、メンテナンスですが「葺き替え」や「新築」でも概要は同じになります。

既存の「下がり丸」は、下地から出した銅線を「冠瓦」の上を這わした「天張り線」と呼んでいる線に緊結する工法でしたが、経年劣化で緩みがあり、棟部の工事に合わせて「締め直し作業」も施工しました。

「棟部」と「下がり丸」を解体した後、周囲の瓦をはぐります。屋根の上が瓦で一杯になりました。下地は「解体時にしかメンテナンスができない」ので、妥協はしません。

今回の案件では「みのこ」と呼ばれる、屋根の左右の端部で勾配を付けた瓦の葺き方になっています。縦横に勾配があるので、慎重な施工が必要になります。

「みのこ瓦」を「銅線止め」から「ビス止め」に葺き直していきます。弊社では「3カ所緊結」しています。「下がり丸」は、「みのこ」部分と「瓦葺き」部分にできる隙間を塞ぐ役割があります。

「ハイロール」と呼んでいる「シール」で防水を確保した「芯木」に「冠瓦」を「ビス」で緊結して「下がり丸」を作っていきます。余談ですが「芯木」は、自然木に見えますが「高さの調節の為の桟木」を「人口木材」に重ねたので、そう見えるだけです。

「鬼瓦」付近では「合端・あいば」と呼ぶ、瓦を加工して切り合わせる作業をします。「鬼瓦」は、屋根の「顔」ですので、美しく仕上げたいですね!「みのこ」で、使用する「鬼瓦」を「みのこ鬼」と呼んでいます。「合端」については「2022年3月7日付」「鬼瓦」については「2022年12月14日付」ブログでも触れています。

「下がり丸」部分の内、軒先側の端部の瓦を「半月瓦」と呼んでいます。軒先まで「下がり丸」が延びている場合は「丸止め」という瓦を使用します。今回の作業により、従来の銅線を使用して緊結する仕様に比べて格段に耐久性が向上しました。

棟部のメンテナンスに加え下地を含む「瓦葺き直し」「みのこ」「下がり丸」と一体となった施工になり「経済的」「効率的」な作業となりました。これからも、妥協を許さない姿勢で、安心できる仕上がりを目指していきます。

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