板金部材
建築に携わる様々な仕事は、細かく分かれていて、共同作業と言えます。
新築工事を想像して思い浮かぶ業種でも、大体20~30くらいの業種があります。
これらの職人さんが、バトンを渡すようにして、最初の「丁張(ちょうはり)」と呼んでいる建物のラインを地面に示す糸張り作業から、最後の「畳」や「美装」と呼んでいるクリーニング作業まで、平均で4カ月程度のリレーを行います。
瓦屋さんは、他の職人さんと絡む作業がとても少なくて、大工さんと建築板金屋さんとしか、仕事に関してお話しすることが少ないので少し孤独ですね(笑)
今回は、僕達が絡むことが多い、板金における外装の大まかな仕様について、紹介したいと思います。
初めに「屋根」について紹介します。
こちらは「波板(なみいた)」あるいは「小波(こなみ)」と呼んでいる仕様です。
「カサ釘」と呼んでいる釘で取り付けます。
昔からある形状で、見慣れた形ですね。
屋根だけでなく「外壁」でもよく採用されています。
こちらは「瓦棒(瓦棒)」と呼んでいる仕様です。
「瓦棒」は、黄色の部分に木部材で下地を設けて、赤色で示した「キャップ」を取り付けます。
左右に雨水が流れる事が少なくて、雨漏りの心配が少ない事が長所です。
こちらは「瓦棒」と形状は似ていますが、「芯木」や「キャップ」を使用せずに、金属部材の加工で突起をつけた「立平・たてひら」と呼んでいる仕様です。
現在では「瓦棒」より「立平」の方が多いようです。
左右に雨水が走る事が少ないのは、瓦棒と同じです。
こちらは「AT葺き」と呼んでいる仕様です。
施工が簡単な所が長所です。
これまでは「縦方向」に葺く仕様を紹介してきましたが、これからは「横方向」です。
写真は「2列」で1つの部材となっているタイプです。
施工の様子については、弊社HP
2023年12月21日付ブログ「AT葺き」
実績㉙ 板金屋根の葺き替え
で、紹介しています。
「AT葺き」では、寸法を現場毎に決めて加工します。
こちらは、最近発売された、正式な名称が「金属定尺横葺き」という仕様で、部材の大きさが規格で決められているタイプです。
ガラス繊維を配合した強化塗膜が、表面に施され、遮熱性能にも優れています。
「ガルバリウム鋼板」に「天然素材の石粒」を表面に付着させた「石付き板金」と呼んでいる製品です。
「石粒」が降水時の振動を抑え、静穏性に優れると共に、積雪の荷重も表面全体で支えるので、雪止め金具が不要で、建物への負荷が均等な事が長所です。
「石付き板金」については、弊社HP2023年7月17日付ブログ「石付き金属屋根材」で、紹介しています。
一時期「コロニアル」と呼んでいる屋根材が流行しましたが、初期の製品は「アスベストの含有」問題があり、最近では、劣化による破損や欠け、コケやカビなどの発生や侵入などについて、相談を受ける事が多くなっています。
その点、瓦や板金屋根材は、とても優れていると言えます。
どちらにしても、屋根材の選定は慎重にしないといけませんね…(もちろん瓦をお勧めします(笑))
続いて、外壁について紹介します。
こちらは「角波・かくなみ」と呼んでいる仕様です。
衝撃に強い形状になっているのが長所です。
こちらは4つの山があるタイプです
こちらは「山」が8つあるタイプです。
こちらは「山角波(やまかくなみ)」と呼んでいるタイプです。
選び方は「見た目」で、構いません
こちらは「M型 スパン」と呼んでいる仕様です。
名前にスパンと入っている仕様は、表面に釘が見えないタイプになります。
こちらは「角スパン」と呼んでいる仕様です。
模様が細かいですね。
「スパンドレル」と呼んでいる仕様です。
見た目は「角波」と似ていますね。
繰り返しになりますが「釘」が表面に現れないという特徴があります。
「Kスパン」「角スパン」と呼んでいる仕様です。
なんだか、分かりにくくなってきましたね(笑)
こちらは「4山」タイプです。
重なり部分で緊結します。
こちらは「金属サイディング」です。
横方向に取り付けた例です。
こちらは、縦方向に取り付けた例です。
標準で、断熱材がついています。
このように、外壁という部分で特別な関係である「瓦」と「板金」
「屋根材」では競合関係でもありますが、一方で必ず協力して頂かなくては作業が完工しない大切なパートナーでもあります。
協力して、お客様に喜んで頂けるよう頑張ります。