ブログ きのえ

F型 袖瓦(かぶせ)メンテナンス工事 他

今回、ご紹介する内容は「F型」や「平板(へいばん)」と呼んでいる瓦で、屋根の端部に関するトラブルの対応についてです。

屋根の左右の端部を「袖部(そでぶ)」

使用されている瓦を「袖瓦(そでかわら)」や「けらば」等と呼んでいます。

F型の「袖瓦」には2つの仕様があり写真のように「袖瓦」を上から被せるような仕様を「かぶせ」と呼んでいます。

もう一つは「一体袖」と呼んでいる仕様です。

「F型」は瓦の長所を保ちながら案件に合わせた施工・デザインを実現できる所がメリットですね!

今回の相談は「かぶせ仕様の袖瓦が落ちそうに見える」という内容でした。

現地へ行ってみると、地上から目視でもわかる状態でした。

屋根上からのアップでは、下地が露出していることが分かります。

「F型」は比較的新しい(1990年代中頃)仕様で、初期の案件では最適な施工方法が確立しておらずメンテナンスが必要になる場合があります。

後から「釘」で補強した形跡が見られましたが、下地のメンテナンスは無かったようで効果は薄いようでした。

「袖瓦」を取り外してみます。

腐食があり、下地から交換する事にしました。

放置すれば、瓦の欠落や2次被害、対応する部位の拡大等が考えられ、大変良い相談だったと思いました。

「F型」は交互に葺いてあるので、巾が2列以上の脱着が必要になります。

流量が多い「軒先部」にかけて腐食が増大していきますね。

施工範囲は「軒先部」から「棟部」まで一体となった部位となります。

私達は屋根の縦方向の事を「登り」と表現しています。

弊社では「袖部」の下地では他の部材(角材)を採用していますが、今回は屋根全体を施工する訳ではないので、諸般の事情で「端小舞」を採用しました。

屋根下地が完成した後に「下葺き材」と「瓦桟木(かわらさんぎ)」と呼んでいる「瓦下地」を施工します。

下葺き材については、弊社HP 2021年4月24日付ブログ「大切なバックアップ」で紹介しています。

瓦の継ぎ目を「目地」と呼んでいます。

「F型」では目地から侵入した雨水は「アンダーラップ」と呼んでいる部位を通って軒先方向へ流れます。

今回のトラブルの原因は「袖部」で「アンダーラップ」の役割を果たす部材が施工されていない事が原因です。

専用の金具を適切な工夫と共に取り付けます。

「端小舞」に「袖瓦」の緊結を強固にする「人工樹脂製」の部材を取り付けます。

部材にはいくつかの規格があり使い分けています。

「棟部」では「一部解体復旧工事」も付帯します。

順に瓦を葺き戻していきます。

瓦の表面の水の横方向への流れに対する工夫として「シーラー」と呼ぶ部材を「袖瓦」に挟み込んでいます。

希望によっては「一体袖」仕様へ変更する事も出来ます。

屋根の形状の内、軒先から下方へ突き出た仕様を「すがる屋根」と呼んでいます。

「すがる屋根」では、アンダーラップ内の雨水を適切に排出するための工夫が必要になります。

予算だけでは分からない良さがたくさん詰まっています。

「法令の遵守」「安全かつ効率的」「丁寧な施工」には「作業床の設置」が不可欠ですね。

今回「軒先部」では「軒先瓦」の出寸法が「軒樋」とマッチしておらず、雨水が軒樋に入っていなかったという問題が着工後に分かりました。

作業床の設置に併せて「軒先瓦」を適切に修正する作業を追加しました。

緊結方法も改善されて「一石二鳥」「一挙両得」「一挙両全」です。

詳しくは弊社HP 実績20「F型 で 袖瓦が かぶせ仕様の工事」内で紹介しています。

雨樋も新調となりました。

部材の名称については弊社HP 2022年9月8日付ブログ「雨樋の名前」

工事については弊社HP 実績7 「雨樋交換工事」で紹介しています。

作業床設置の重複が無く「効率性」「経済性」に優れた作業となりました。

私達の作業は、1つの追加工事でいくつもの効果を得る事ができます。

「棟部」についても「一部解体」から「全体」の施工となりました。

弊社HP 実績⑲「強力棟 芯木 交換工事」

2025年7月16日付ブログ「強力棟 芯木 交換作業」で紹介した作業を実施しました。

「軒先部」「棟部」「袖部」は他の部位に比べて風圧力が大きいので、安心して頂ける内容になりました。

瓦は再使用なので、外観からは何をしたのか分かりません。

一部では「アンダーラップの破損」や「表面の剥離」等が見られ、作業中に目視できた瓦は交換しましたが、屋根雪があったりする場合は、雪解けを待って精査する必要がありますね。

残念ながら、今回使用されていた瓦は「東洋瓦 アーバン40」という仕様で廃番となっていたので、代替として「野安 セラフラット3」という瓦で対応しました。

製品については弊社HP ホーム画面最下部の「新東」のバナーをタップして頂ければ紹介しています。

廃番の可能性がある、すぐに用意ができないと思われる製品については予備の用意もお勧めしています。

表面の剥離については2023年2月19日付ブログ「60年保証」で紹介しています。

私達の作業は、小さな相談でも、着工後に判明する問題等もあり、お客様が考えていた内容から、大きな変更、予算の大小だけでは測れない事柄が加わってしまう事もあります。

お客様への丁寧な説明で、ゆっくり決めて頂く事で、寄り添った内容になれば幸いです。

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