ブログ きのえ

修理回り 瓦の交換

ゴールデンウィークですが、ママは仕事、子供たちも遊びに行って「ボッチ」ということで、瓦の修理に行ってきました。

怖さに打ち勝つ強い気持ちがあれば、日曜大工でもできるかも?知れない作業です。

(道具や材料は弊社でお貸しします)

マイペースで気持ち良く作業ができます。

1階も2階も同時に上がれる場所に梯子を掛けます。

暑くもなく寒くもなく最高の天気です。

一度に上がれない場合は「脚立」を使用します。

上り下りだけで体力を消耗します。

事前点検で必要な材料等を確認します

今年の冬は大雪だった事に加え、豪雪地帯ということでたくさんの瓦が割れています。

屋根雪の負荷が大きい軒先部分を中心に割れています。

春先になると重量が増します

屋根の高い部分より、軒先部分の方が積雪が大きい(負荷が大きい)事がわかります。

屋根雪は融雪が進むにつれて、重量が増します。

作業も大変になり危険度も増すので早めの(雪が軽い内に)雪下ろしをお勧めします。

負荷により軒先が折れる事があります。

対応については、実績11 「雪害復旧 瓦葺き直し工事」で、紹介しています。

修理は、屋根上を歩く頻度が多いので、動線となる部分から順に修理を進めていきます。

とても怖いです。強風の際には梯子を緊結したり中止にしたりします。

特に、梯子から屋根に上がる部分は危険なので、丁寧に施工しています。

修理のような小さな案件では、ウインチを使用しないので1往復を無駄にしない効率性がとても大切です。

割れている瓦を取り外していきます。

「雪止め瓦」の場合は、2か所緊結されているので、直上の瓦も取り外す必要があります。

瓦割れ部分より軒先側が腐食しているので軒先側から作業する方が無駄が少なく済みます

使用されている瓦は「49版」と呼んでいる瓦で「桟木」と呼んでいる木部材に銅線で緊結している仕様です。

雨水の侵入によって「下地」や「瓦桟」が腐食していることがあります。

雨水は軒先方向へ流れていくので、当然ですが腐食も水量が多くなる軒先部分に近い部位が酷くなります。

僕は「梯子から近い部分」に加え「軒先に近い部分」から修理を進めていく事が多いです。

写真では3か所緊結ですね

「桟木」を新調していきます。

既存の「桟木」は補強の意味も兼ねて残し、その上に添えるように取り付けます。

交換した「桟木」が瓦の裏面に干渉して浮き上がる可能性があるので、交換する「桟木」は、少し薄い(4分 12mm)部材を使用しています。

2か所以上下地(垂木)に緊結する必要があるので、取り外す瓦の枚数も多くなります。

メンテナンスをせずに放置しておくと、他の部位の負荷が大きくなり加速度的に劣化が進んでしまいます。

「ペンチ」を使用するのも良いと思います。

緊結は銅線を「桟木」の下と瓦の外側の穴に通し、しっかりと「たわみ」が無いように締め付けて「輪」を作ります。

下地の落ち込みが大きい時には、合板等で「補修」「補強」する事も多いです。

ねじれ部分は「らせん状」になるように締めこみます。僕は下手です。

「桟木」が古い場合は、折れないように気を付けます。

折れた場合、最低でも2~3枚の取り外しが確定してしまいます。

「輪」が不十分だと「桟木」の力がかかって折れてしまいます。

「輪」が解けないように引っ張ると簡単に切断することができます。

「ねじる」部分は「巻き付け状」になりやすいので、必ずお互いにしっかりとねじり「らせん状」になるように注意します。

「内側の穴」は「釘止め」の際に使用する穴です。「49版」は「銅線止め」「釘止め」両方に対応しています。

最終的には、ほどけにくいように、この形にしています。(僕は下手です)

銅線は引っ張ったりし易いように棒に巻き付けて使用し「雪止め瓦」の場合は、2か所緊結する必要があるので、2個セットで作業しています。

「屋根瓦」は、スクラムを組むようにして支えあっています。

雪止め瓦は、負荷が大きいので2か所緊結です。

「金づち」は、桟木を折らないように注意して差し込みます。

直上に瓦がある場合は、金づちを差し込んで銅線を通します。

「桟木」の下を銅線がなかなか通らない時がありイライラします(笑)

銅線を通す位置が釘のそばの場合は通しにくいです(笑)

そんな時は「ヘラ状」の道具を差し込むと通しやすくなります。

ステンレス線は硬くてねじれにくいので使用には適していないと考えています。

表面に突起がついた下葺きを使用すれば、容易に銅線を通すことができます。

万が一侵入した雨水が「桟木」によってせき止められないようにする効果もあり一石二鳥です。

やむを得ずグラインダーで加工する事もあります。

瓦の寸法が合わずに入りにくい時もあります。

大抵は、周りの瓦が緩んでいるだけなので、蹴っ飛ばす等で解決します。

「谷部」で瓦桟が無い「棟部に近い」という理由で瓦の取り外しが困難な場合があげられます。

やむを得ず1列上の「桟木」を利用して緊結する場合もあります。

軒先部分の瓦を「軒先瓦」「端口(はぐち)」と呼んでいます。

「軒先部」は、周囲に支える瓦が無いため、負荷が大きい部位です。

「軒先瓦」の内「唐草(からくさ)」と呼んでいる仕様では、通常どのような幅の瓦にも対応できるように、多少大きめの寸法で作られています。

既存の瓦と大きさが合わない場合は「差し込み」と呼んでいる部分をカットします。

組み立てには時間がかかりますが、終わってみると意外と早めに完工している事が多いです。

「軒先瓦」は危険なのでどんなに小さな修理でも足場が欲しい箇所です。

濡れているのはハチの巣があったので退治しました

瓦を緊結する「桟木」が折れています。

全部交換したいところですが、予算にも限りがあるので、どこかで折り合いをつけなければいけません。

瓦は「ねじれ」を考慮して葺いてあるので、葺き戻しの順番通りに取り外していきます。

「足場」は、部材の仮置きとしても重要です。

瓦を緊結する「桟木」の下に「下地」が無かったので「桟木」を二段重ねにして取り付けました。

雨樋に雨が入るように取り付けないとダメですね

瓦のラインに注意しながら、僕は左側から順に葺き戻しています。

「軒先瓦」も2か所緊結です。

「瓦ビス」は、左右の重なり部分に施工して2枚分の緊結をしています。

最後に「瓦ビス」で、補強して完成です。

「銅線2か所」「瓦ビス1か所」の3か所緊結です。

瓦の重なり部分にもビスが貫通するように施工したので実際には「4か所」になります。

「スクラム」の最前列と言えるポジションですね!(プロップ?フッカー?(笑))

「桟木」が折れていない部位にも「補強」として施工する事により、未然に被害を防ぐことができます。

1階の屋根では、2階からの落雪や吹きたまりの発生なども考えられます。

瓦を切り合わせる作業を「合端(あいば)」と呼んでいます。

左右の端部の瓦である「袖瓦」でも必要になることが多いです。

施工範囲と作業量や時間のバランスが、大規模な作業とは大きく異なります

数時間かかって、ようやく安全な昇降の確保と仮置きができるくらいになりました。

周りの左右されず、マイペースで作業できる所はストレスが少ない仕事です(笑)

人間にとって自然条件が厳しい地域は、家にとっても厳しいと言えますね。

屋根上だけでなく、雨樋の「詰まり」から下の屋根に雨水が同じ箇所に落ち続ける弊害が考えられます。

定期的な清掃が不可欠です

谷部でも、水の流れが阻害され、下地の「腐食」「落ち込み」が想定されます。

私達が受注する案件は、屋根の修理に加えて、清掃も含めた作業となることが多いです。

住宅を維持する事は、とても大変な事だと思いました。

新築や大規模なリフォームと違い、修理には多大な労力と時間がかかります。

進捗がとても遅い作業ですが、お客様の「困った」にできるだけ早く対応できるよう頑張っています。

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