ゴールデンウィークですが、ママは仕事、子供たちも遊びに行ってボッチということで、瓦の修理に行ってきました。
怖さに打ち勝つ強い気持ちがあれば、日曜大工でもできるかも?知れない作業です。
1階も2階も同時に上がれる場所に梯子を掛けます。
暑くもなく寒くもなく最高の天気です。
豪雪地帯ということでたくさんの瓦が割れています。
屋根雪の負荷が大きい軒先部分を中心に割れています。
屋根の高い部分より、軒先部分の方が積雪が大きいことがわかります。
融雪が進むにつれて、重量が増します。作業も大変になり危険度も増すので早めの雪下ろしをお勧めします。
負荷により軒先が折れる事があります。
対応については、実績11 「雪害復旧 瓦葺き直し工事」で、紹介しています。
修理は、屋根上を歩く頻度が多いので、動線となる部分から順に修理を進めていきます。
特に、梯子から屋根に上がる部分は危険なので、丁寧に施工しています。
ウインチを使用しないので1往復を無駄にしない効率性がとても大切です。
割れている瓦を取り外していきます。
「雪止め瓦」の場合は、2か所緊結されているので、直上の瓦も取り外す必要があります。
使用されている瓦は「49版」と呼んでいる瓦で「桟木」と呼んでいる木部材に銅線で緊結している仕様です。
雨水の侵入によって「下地」や「瓦桟」が腐食していることがあります。
雨水は軒先方向へ流れていくので、当然ですが腐食も軒先部分に近い部位が多くなります。
なので、僕は「梯子から近い部分」に加え「軒先に近い部分」から修理を進めていく事が多いです。
「桟木」を新調しています。
既存の「桟木」は補強の意味も兼ねて残し、その上に添えるように取り付けます。
交換した「桟木」が瓦の裏面に干渉して浮き上がる可能性があるので、少し薄い(4分 12mm)部材を使用しています。
2か所以上下地(垂木)に緊結する必要があるので、取り外す瓦の枚数も多くなります。
メンテナンスをせずに放置しておくと、他の部位の負荷が大きくなり加速度的に劣化が進んでしまいます。
銅線で締め付ける際には瓦の外側の穴に銅線を通して、しっかりと「たわみ」が無いように締め付けて「輪」を作ります。
下地の落ち込みが大きい時には、合板等で「補修」「補強」する事も多いです。
「桟木」が古い場合は、折れないように気を付けます。
「輪」が解けないように引っ張ると簡単に切断することができます。
最終的には、ほどけにくいように、この形にしています。(僕は下手です)
「銅線」は、引っ張ったりし易いように「巻き棒」に巻き付けて使用しています。
「雪止め瓦」の場合は、2か所緊結する必要があるので、銅線の巻き棒は2個セットで作業しています。
直上に瓦がある場合は、金づちを差し込んで銅線を通します。
「桟木」の下を銅線がなかなか通らない時がありイライラします(笑)
そんな時は「ヘラ状」の道具を差し込むと通しやすくなります。
瓦の寸法が合わずに入りにくい時もあります。
大抵は、周りの瓦が緩んでいるだけなので、蹴っ飛ばす等で解決します。
やむを得ず1列上の「桟木」を利用して緊結する場合もあります。
軒先部分の瓦を「軒先瓦」「端口(はぐち)」と呼んでいます。
「軒先瓦」の内「唐草(からくさ)」と呼んでいる仕様では、通常どのような幅の瓦にも対応できるように、多少大きめの寸法で作られています。
既存の瓦と大きさが合わない場合は「差し込み」と呼んでいる部分をカットします。
瓦を切り合わせる作業を「合端」と呼んでいます。
左右の端部の瓦である「袖瓦」でも必要になることが多いです。
数時間かかって、ようやく安全な昇降の確保と仮置きができるくらいになりました。
屋根上だけでなく、雨樋の「詰まり」から下の屋根に雨水が同じ箇所に落ち続ける弊害が考えられます。
谷部でも、水の流れが阻害され、下地の「腐食」「落ち込み」が想定されます。
私達が受注する案件は、屋根の修理に加えて、清掃も含めた作業となることが多いです。
住宅を維持する事は、とても大変な事だと思いました。
新築や大規模なリフォームと違い、修理には多大な労力と時間がかかります。
進捗がとても遅い作業ですが、お客様の「困った」にできるだけ早く対応できるよう頑張っています。