数字

先日より、とても小さな屋根の工事を施工させて頂きました。

とても思い出に残る現場だったので、今回ご紹介したいと思います。

写真のように、屋根の側面や前面が「壁」になっているような形状を「パラペット」と呼んでいます。

主に、商店などで「広告」を掲示するなどの理由で採用されています。

今回、パラペットの裏側の部分で、雨漏りがするとの事で、点検に伺った所、工事には工夫が必要と感じたので、自分だけで判断せずに、従業員さんに相談・・・

「トタン」を外して内部を見てみました。

谷部の雨水は「パラペット」の内部へ流し込んでいる構造のようです。

内部はトンネル状で、水の通り道には板金部材が施工されていますが、水の勢いを考慮すると少し心許ない気が・・・

予想通り、下地は腐食していました。

写真のように、交差する軒先の高さが違う仕様を「軒高違い(のきたかちがい)」と呼んでいます。

「応急的」「部分的」な対応は、不可能と判断して、お客様に了解を頂いて、思い切って瓦をはぐります。

パラペットの外壁も腐食が見られる事から・・・

思い切って、はぐってしまいます。

「金属」と「木部材」が直接触れる事には弊害があるので、下葺き材は必須です。

住宅側の外壁も思い切って新調です!

下葺きからの施工で、暴風の際に雨水が当たっても安心です。

パラペットの外壁下地も補修&新調です

問題の「パラペット」と「谷部」の合流地点も、板金部材を立ち上げて、新しい雨水の流路を作ります。

わかりにくいですが、軒先瓦の下地を作るのにも、最適な位置や高さを決める苦労がありました。

実際に、水を流してみて、雨樋に水が入っていく様子を見た時は職人さんのすごさを改めて感じました!

軒下の腐食した部分も、解体して新しい下地を施工します。

合板を緊結するビスの下地となる角材の取付もあります。

とても狭く、手間ばかりかかります。

この部位は、もう雨水が流れ込む事は無く、放置しても差し支えないのですが、職人さんにお願いしてきれいに仕上げて頂きました。

本当にありがとうございました。

小さな板をきれいに加工するのは難しいです

折り返しと呼んでいる部分の下地です。

新しい木部材と古い木部材をそろえて加工している所に丁寧を感じます。

「折り返し」の仕上がりです。

この中に、こだわりの下地があることは僕達しか知りません。

「雪止め瓦」の葺き方も積雪荷重に配慮しています。パラペットの外壁と瓦葺き面の接続部分もスマートです。

住宅側の外壁も含めて、とてもキレイな仕上がりに仕上げて頂きました。

この案件の施工面積は19㎡。坪面積にしてわずか約5.7坪にしかすぎません。

多くの「労力」「知恵」「技」が詰まっているのですが「紙の上」「数字」は

「5.7坪」

それだけです。

目に見える物では分からない中身があります。

私達は「物」ではなく「事を売っている」商売です。

今回の工事を通して、自分自身も「数字」ばかり見る事は戒めようと改めて思いました。