予備費で「修正」
僕が作成する見積もりプランには「予備費」と言う項目があります。
今回は、その内容について一例を紹介したいと思います。
今回ご紹介する部位は、オレンジ色で囲った部位の屋根の幅についてのお話です。
上から見ると何の問題もないように見えますが…
瓦の左右の重なりを少なくして葺いてあるのが分かります。
これは「屋根下地の幅が広すぎた」ので「瓦の左右の重なりを少なくして、延ばして葺いた」状態です。
重なりが少ないと「雨」にも「風」に対しても瓦の性能を十分に発揮する事ができません。
今回、棟部のメンテナンス工事を施工する工事でしたが、今回紹介する「予備費」を使用して、瓦を適正に「葺き直す工事」を追加で施工させて頂きました。
初めに、該当する範囲の瓦を取り外します。
棟部の解体も兼ねているので、大変効率的です。
瓦の下地には問題はないので「割り付け」と呼んでいる瓦を葺くための墨付けを新たにします。
幅を調整するための「調整瓦」を葺いて隙間なく葺き直します。
赤いラインで囲った4列分には「幅の狭い瓦(幅狭瓦)」が施工されています。
既存の瓦の幅3列分を「幅狭瓦」4列分と交換して屋根下地の寸法に合わせた瓦葺き作業に「修正」します。
しっかりと、重なり寸法を確保する事ができました。
これで、瓦の性能を十分に発揮する事ができます。
この追加作業の提案は、現場からの意見でした。
指示通りに動くだけでなく、主体性を持って、より良い仕上がりになるように意識を持って作業されている事を実感でき、とてもありがたく思いました。
僕の営業のスタンスは「お客様の希望通りの工事」が、基本で、強引にお勧めする事はありません。
しかし、私達はもう少し作業を加える事によって、効率的に予算を生かす事ができます。
そのような時の為に「予備費」と言う項目を付け加えさせて、使い道について相談させて頂いています。
今回はその一例を紹介させて頂きました。