AT葺き
弊社の受注案件で「AT葺き」と呼んでいる仕様で「板金屋根」の葺き替え、及び「外壁部材の交換工事」を施工しました。
以前の金属屋根材は、錆びにくく加工が容易な「銅」が多かったのですが、現在では「ステンレス」や「GL」と呼んでいる「ガルバリム鋼板」が主流です。
既存の部材を撤去して、下地を補修した上で、屋根面に「下葺き材」外壁に「透湿防水シート」を施工します。
「屋根面」と「外壁」との接続面では「下葺き材」を立ち上げる必要があります。そのため「外壁」は、交換しない場合でも脱着が望ましいです。
「AT葺き」は、部材を折り返して組み合わせながら葺いていく仕様です。この部分では「外壁」は交換しないので、釘を抜いて「下葺き材」やその他の部材を差し込めるようにしてあります。
左右のジョイント部分です。位置を屋根全体のバランスを考えて決定します。
ジョイント部分はキャップを付けて完成です
軒先の部材を「唐草」と呼んでいます。
「外壁」の「下地」です。この部位の奥はとても狭いのですが…
しっかりとした足場を施工して頂いたおかげで…
細部まで、効率的に、しっかりと対応する事ができました。
「外壁」と「屋根面」の接続面に施工する部材を「水切り」と呼び「下葺き材」の立ち上がりと共に、雨水の侵入を防ぐために重要なアイテムです。
外壁を再使用した部位です。「ジョイント」「水切り」と併せてしっかり対応できました。
面積が狭い場合は交換の方が経済的です。「外壁(黄色)」「水切り(赤)」「屋根材(緑)」で、取り合いをしっかりサポートします。
こちらも「外壁」を新調した部分です。窓の周りは雨が侵入しやすいので、丁寧な施工が必要です。窓周りについては、実績㉑「葺き止め工事」で紹介しています。
このような仕様を「入母屋・いりもや」と呼んでおり、使用されている板を「破風板・はふいた」と呼んでいます。
赤いマークの部分で「金属屋根材」と「破風板」が接触すると腐食の原因になるので加工して接触しないようにします。
青いマークは「破風板を伝う水の流れ」で、黄色のマーク部分で雨水の侵入を防ぎます。
「下葺き材」は「金属」と「木材」の間の緩衝材の役目も果たしています。
「破風板」を伝う雨が、内部に侵入しないように工夫します。
「入母屋」の内部です。鳥獣などの侵入経路になりやすいので、しっかり対応します。
屋根の頂点の部分を「大棟」と呼んでいます。予め、加工しておいた部材を取り付けます。
「庇」です。
この部位の外壁は「白壁」で、加工は破損の恐れがあるため「水切り」を立ち上げ「コーキング」で仕上げました。
斜めの「棟」を「隅棟・すみむね」と呼んでいます。奥側も、スマートに仕上がりました!
「谷部」と呼んでいる部位です。
「谷部」で、軒先の高さが異なる仕様を「軒違い」と呼んでいます。今回の、ご相談のきっかけとなった部位は窓部分の雨漏りでした。
「AT葺き」は、雨水が横方向に移動しやすく、赤色の部位が雨水の侵入部分と推測しました。
現状では、赤色の部位で「板金部材の立ち上げ」黄色の部位で「コーキングを施工」するなどの横方向に伝う雨水に対しての対応がなく、点検時に応急的にコーキングを施工した所、雨漏りが止まったとの事でした。
本当に小さな事ですが、結果は重大なので「凡事徹底」が、大切という事を再認識させられた案件でした。
「雪止め金具」です。板金屋根の「雪止め」の仕様は、他に「アングル」がありますが「AT葺き」の場合は「金具」一択です。
「AT葺き」では施工できませんが「アングル」での「雪止め」です。
足場の有効活用のために「雨樋」も施工させて頂きました。
金属には「電位差」というものがあり「電位差」が異なる金属が触れると「異種金属接触腐食」を起こします。今回、施工範囲を全て同じような金属材で施工する事により、安心して頂ける内容になりました。
これからも、全力で作業に取り組んでいきたいです!