私達が仕事をさせて頂くにあたって、大切にしている事の一つに「必ず現場を目視で確認する」という事があります。
伝え聞いた内容だけで判断すると、後で後悔する事があるので、必ず自分の目で確かめる事を大切にしています。
作業の中で、一番大変な事は「原因を明らかにすること」です。雨漏りを例にとると、侵入の形跡を確かめるためには、下地が濡れている状態での確認が確実な判断につながるので「雨が漏っている最中」「乾く前」が点検の「ゴールデンタイム」です。
写真は「谷部」と呼んでいる部位です。三角形に加工された「うろこ瓦」が割れています。この部分は、誰でもすぐにわかりますね!
実際に瓦を取り外してみると、瓦を緊結する「桟木」が長すぎて、堆積物を引っ掛けるようにして堆積し、雨水を内部に誘導するような形になっています。
雨上がりの際に、実際に確認する事によって、より「根拠のある」対応が可能になります。
対応として、瓦桟の長さを適切にして「バックアップ材」と呼んでいる逆水防止用のシールを取り付けます。
この仕組みについては、弊社HP 実績㉒「谷部板金交換(八谷)」でも紹介しています。
写真では、外壁を伝う雨が「冠瓦」の内部に入り込んでしまう構造になっていますね!
対応として外壁の板金部材をしっかり「冠瓦」の外側で施工します。小さな作業ですが、大きな結果を生みます。
このような屋根を見る時は…
外壁との接続面に注意します。この案件でも、前述と同じように、外壁を伝う水が、棟部の内部に雨水が入ってしまう構造になってしまっていますね…
黄色のラインが「桟芯・さんしん」と呼んでいる、瓦の左右の「分水嶺」です。縦の水色のラインが水が流れる「谷芯・たにしん」ですが「桟芯」より「壁側」へ流れる雨水が赤色の矢印へ流れ「谷芯」を超えて壁側へ侵入しないか確認する必要があります。
写真の案件では、雨樋が左側に傾斜してしまい、雨の落とし口である「上合・じょうご」方面に雨が流れにくくなっていました。(赤いライン)
これは、実際に樋に水を流してみたり、雨上がりの地面を見ればすぐに確認ができます。
対応として新しい「樋金具」を取り付けて、適切な勾配を取り戻します。(青いライン)
これらは、当初ご相談頂いた内容とは別に、現場を確認して新たに提案させて頂いた内容です。
「ご相談頂いた内容」に「新しく発見された問題点」をうまく絡めて解決できれば良いと考えています。
写真の部分は「葺き止め」と呼んでいる「瓦葺き部分」と「外壁部分」の接続面です。
「のし瓦」は雨水が伝う「裏漏り」を防ぐために、適度に「せり出した構造」になっていますが、隙間を埋める目的で、後からモルタル状の材料を施工したのか「せり出し」が無くなっています。
このような施工は「裏漏り」が発生し、内部へ雨を引き込む結果になるのでお勧めしません。DIYで対応される際は、専門の業者へ相談してから施工する事をお勧めします。
瓦をはぐってみないと分からない事も多くあるので、推測に加え、確かな根拠の為に「色々な天候に合わせて何度も点検を重ねる」「みんなで相談してセカンドオピニオンを実施してみる」「実際に水を掛けたり流したりしてみる」等検証を重ねています。「その上で、結果をお客様にお伝えして、いくつかの選択肢からお客様に「対応方法」を選択してもらっています。
弊社はあくまで「お客様ファースト」です!