お寺 東面 瓦葺き

2024年2月9日

7月2日よりウインチで瓦を上げて、瓦葺き作業が始まりました。

瓦を加工しながら葺いていくので、瓦の上は粉で赤く見えます。あちこちから、グラインダーの音が響き渡ります。

「東面」は、本堂の正面に当たり、屋根の中央部が盛り上がるような形状になっています。屋根の左右方向にも勾配ができるために、雨水が流れ込まないように工夫しています。

写真の瓦を「桟瓦・さんかわら」と呼んでいます。端部以外の部位で葺かれ、一番見慣れた瓦ではないでしょうか?瓦の「山」になっている外側の部位を「かぶせ側」内側を「差し込み側」と表現しています。「差し込み側」へ雨水が流れると、内部に侵入してしまうので、左右にも勾配がある部位では「かぶせ側」が反転した瓦を使用しています。

「差し込み側」へ、雨水が流れ込まないように、真ん中の「両切瓦」を境に「瓦の左右の向き」が反転しています。

現場に出ていない日も休んでいるわけではありません

既製品でも「両切瓦」はあるのですが、大変高価で製造にも日数がかかるので雨天で現場作業ができない日に「左袖瓦」を加工して自作しました。

「両切瓦」は左右共「差し込み側」になりますね

「切り込み」が左右にある、一般の住宅では使用される事が少ない瓦です。

8.25寸の瓦は通常の瓦を加工して制作できますが「水切り」が良くないので妥協しませんでした!

瓦は通常265mmの幅ですが、8.25寸(250mm)の瓦を混ぜて施工しました。地上からは分からない誤差です。

上に行くにつれて屋根下地の巾が広くなっています

袖瓦の施工などは「西面」と同じです。

「下がり丸」の下地と、頭を悩ませていた「みのこ」です。「みのこ」は職人さんの腕のおかげで目途が立ちました。

「下がり丸」下地のアップ写真です。瓦の切り幅で、寸法を調整できます。

目視できる部材は瓦と同じ色の「ブラック」の防腐剤を使用して目立たないようにしました

地上では使用する各部材に防腐剤を施工します。

南北に2カ所づつ合計4ヵ所あります

大工さんは、住職さんの要望に応えるために「通気口」の枠を作成しました。

制作に2週間かかったそうです

既存の「窓枠」に「新しい窓枠」を取り付けます。材料は、5月2日付ブログで紹介した「破風板制作」での端材です。処分するのはもったいないと紹介した端材をうまく活用できました!

少しずつですが、工事を進める事ができています。僕の経験不足と特殊な瓦が多く、発注がうまくいかないなど、あまり段取り良く進んでいるとは言えませんが、皆さんの協力で形になってきました。感謝感謝です。