先日より、市街地にある住宅兼店舗の案件で瓦の葺き替え作業を施工させて頂いています。今回は「軒先メタル」という部材を紹介させて頂きます。
写真の屋根は、商店などで見られる「パラペット」と呼んでいる仕様です。外壁に、看板等を取り付ける事ができる所が長所です。
今回、ご紹介するのは「軒先メタル」という部材です。軒先部の下地で使用される「端小舞・はなこまい」の、保護と逆水等による雨水の侵入を防ぐ役割があります。
「端小舞」の断面です。軒先で、瓦の勾配を確保するために「台形」となっています。
写真の屋根は「奴葺き・やっこふき」という仕様です。屋根の端部を「板金屋根」で葺いた仕様です。
奴葺きは、意匠用の他に、屋根が直角ではない屋根で使用されます。瓦の短所に「直角でしか葺けない」という点が挙げられます。屋根が「台形」等の場合に「瓦を葺く事が難しい」部位で使用されます。
「奴葺き」でも、瓦と板金部材が直接接触して、部材を傷つけないように「端小舞」を設置して、隙間を確保します。(瓦の仕様により直接触れる場合もあります)
「奴葺き」でも、軒先メタルが欠かせません!雨水が、同じ箇所へ滝壺のように流れるので、「奴葺き部」の保護も担います。注意点としては、「奴葺き部」と違う素材で施工すると「異種金属接触腐食」と言って、電位の異なる金属を接触による、腐食があるので、できるだけ電位差の少ない素材を組み合わせる事が重要です。
「電位の違い」による注意点は、他の施工でも同じことが言えます。
屋根では、同じ部位を雨水が流れ続ける事は、大変危険な事なので、定期的なメンテナンスが必要になります。
チョットした施工が、後々大きな成果を上げる事が、「屋根工事」では良くあります。2021年11月10日付ブログ「新兵器導入」で、紹介した「板金部材加工機」が役に立っています。
これからも「妥協を許さない施工」で、全力で仕事に取り組んで行きたいです!