ブログ きのえ

目の付け所(雨水が流れる所)

僕が住んでいる富山県南西部の「砺波地方」では、今年は比較的天候に恵まれ、成人の日も積雪は「0」です。お陰様で、屋根の点検も安全で、助かっています。

今回は、雨漏りの点検内容の内「雨水の通り道」に視点を合わせた紹介をしたいと思います。

瓦の上の雨水は瓦の一番低い「谷芯」と呼んでいる部位を流れていきます。

屋根上の雨水は当然ながら瓦の上を流れて、軒先方向へ流れます。

しかし、主に下地の経年劣化等が原因で、雨水が「谷芯」を流れない場合もあります。

雨水は下流に該当する軒先付近で水量が多くなります。

屋内側で雨漏りが発生していない場合は、発見が遅れる場合があります。

目視でも良く分かります。

下地にも問題がある場合は、補修作業が付帯します。

軒先部分を「奴葺き(やっこふき)」と呼んでいる金属部材で葺いた仕様です。

軒先部の裏側です。

繰り返しになりますが、雨漏りが屋内側でない場合は発見が遅れる場合があります。

雨樋の名称は2022年9月8日付ブログ「雨樋の名前」で触れています

屋根の上を流れた雨水は軒先の「雨樋」である「軒樋(のきとい)」へ流れ込みます。

「軒樋(のきとい)」の雨水は「上合」から落とし込まれて「竪樋」を通って地上方面へ流れて行きます。

「軒樋(のきとい)」の雨水を下方へ落とす部位を「上合(じょうご)と呼んでいます。

「樋」が枝葉で詰まる等で流れが悪くなると雨水がオーバーフローを起こし、下地を痛めます。

「下地の腐食による瓦の落ち込み」で、逆水を起こします。

実際の写真です。

雨水の落とし口である「上合(じょうご)」が、詰まって雨水があふれ出しています。

下方では滝のようになっていました。

対応作業は、水は上流から流れるので下方から順に進めていきます。

写真の案件では、先に瓦葺き部分を作業しています。

残念ながら雨漏りは止まらず「瓦葺き部分」に濡れは無かったことから、雨水は外壁から直接、直下に侵入していると考えられます。

予算に余裕がない場合は、部分的な対応から点検と作業を繰り返していく事になります。

直下には建物を支える「棟木」と呼んでいる主要な構造材があるので、早めの対応をお勧めしています。

構造材については、2025年12月31日付ブログ「建物の主要な構造材について」で紹介しています。

「竪樋」を通った雨水は屋根の上を這わせた「這樋(はいとい)」を通って下方へ流れます。

わずかな破損でも長期間放置すると、大きな問題になってしまいます。

瓦の上でも流れが阻害されて雨漏りの原因となることがあるので、点検を兼ねた清掃はとても大切ですね!

2022年11月14日付ブログ「推測」でも同じような事例を紹介しています。

雨樋に枝葉が入らないように、ネットをする場合もありますが、堆積することに変わりはなく、逆に清掃が大変になので、立地条件によっては、お勧めしていません。

ネットがある場合は、清掃の為に着脱が必要になります

作業には、清掃も加える事をお勧めしています。

写真のような部位を「谷部」と呼んでおり、同じように雨水の流れが重要となっています。

写真では枝葉が堆積していますね・・・

内部では、枝葉が原因で、内部へ雨水が入って雨漏りの原因となっていました。

清掃の大切さがわかります。

「谷部」に「はいとい」があると更に「枝葉」が溜まりやすくなります。

「谷部」に溜まりやすいのは「枝葉」だけではありません。

写真をよく見ると「谷部」を境に手前では「雪止め瓦」が施工してあり、奥側では施工してありません。

今年は少なめです。2階の屋根雪が1階の屋根へ落ちる事も想定します

「谷部」は屋根雪も堆積しやすく、屋根雪の「軒先へ方向への荷重」が、雪止め瓦の有無で不自然となる場合があります。

屋根雪に「押される」「引っ張られる」事による「下地の劣化・破損」瓦の「ズレ」や「ワレ」を起こす事があります。

氷河が流れる仕組みと同じです。

「右側のみが急勾配」で左右とも「雪止め瓦施工無し」でした。右側の積雪の圧力により「左側の瓦が割れる」事例でした

問題がある場合は、対応として「雪止め瓦」の施工で均等に負荷がかかるように改善する事をお勧めします。

「谷部」に施工してある板金部材を「谷板」と呼んでいます。

他の説明でも繰り返し触れているように経年劣化による「腐食による穴」が見られる場合があります。

この案件では、構造的に下流の部位が狭くなっており、枝葉が堆積しやすくなっていました。

枝葉の堆積は「谷板」を常に濡らしている事になり劣化を進める大きな要因となります。

放置すると下地の工事も必要になってしまいます。

「谷部」周辺での雨漏りでは、瓦割れ以外は、ほぼ「谷板」が原因の場合が多いです

「谷板」がそれほど古くなく、一見では、腐食が見られない場合でも・・・

目を凝らして見てみると、亀裂による穴が開いて、雨水の侵入を起こしていました。

「谷板」を取り付ける際に「折り目」がつくと、将来的にこのような亀裂の原因となる事があるので、取り扱いは慎重にします。

他にも、雪下ろしなどの際にスコップ等で傷をつけてしまうといった事も考えられます。

雨漏りの対応で一番難しいのは原因を特定する事です

応急的には「コーキング」で対応です。

弊社では、応急的な対応から経過を見て頂き、雨漏りが止まった(原因が確定した)事を確認してから、対応についてお話や着工を進めるようにしています。

「谷板」を交換の場合は「亀裂より下」「全体」の2択となります。

全体を交換する場合は、屋根の形状によっては「棟部」で、部分な解体復旧作業が、付帯する場合があります。

はぐらなくても「想像」できます!

対応が遅れた場合は「隅部」の構造材である「隅木」を腐食させてしまいます。

「主要構造部材」については「交換が困難」なので「定期的な点検」「早めの対応」をお勧めします。

この案件では「枝葉が溜まりにくい」工夫をしました。

周囲に屋敷林等がある場合は併せて、適切な枝打ち等も考えたいですね!

「谷部」のトラブルは、下地の腐食に即つながります。内装にも被害が及びますね!

「谷部」の雨水が瓦の上を流れるような構造を「軒違い」と呼んでいます。

その際は「谷部の水を瓦の谷芯へ流す」ために工夫が必要になります。

幅を調整するので「幅調整瓦」と呼んでいます。

「幅の広い瓦」「幅の狭い瓦」を工夫して適切に雨水が流れるように修正しました。

幅を調整するための瓦については2022年8月2日付ブログ「続・屋根の寸法出し」で、紹介しています。

今回の紹介についての理由に、頻繁にご相談を受ける「損害保険」があります。

保険の適用は「災害による損壊」に限られますので「劣化していた部位が○○で損壊した」という流れで「プロセスの解明」や「説明」が重要と考えています。

今回、多くの点検項目の中から「雨水の通り道」についてお話しましたが、とても奥が深く難しい問題で、職人さんが全力で取り組んだ結果、うまくいかなかった部分もあるという事はご理解頂けたらと思います。

これからも、勉強です!

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