基準改正

2023年6月9日

事務所の整理をしていたら、このようなチラシが出てきました。

阪神淡路大震災では「柱」の緊結方法が注目されました。今回は「風圧」が焦点になりました

昔から瓦の工法は地域や会社、場合によっては職人毎に異なりました。そこへ阪神淡路大震災をきっかけに「地震に強いガイドライン工法」を業界として推進してきました。

今回、新たに房総半島での風害に合わせて、「風害にも強い」工法を推進していく事になりました。

弊社では法制化前より実施していました!

内容は、簡単に言えば「瓦は全数緊結」「端部は3カ所緊結」という内容です。「端部」「棟部」はその他の部位に比べて風圧力が大きいという理由から3カ所緊結と決められました。詳しくは、ホームページ内の「屋根の耐風性能法令化」のバナーをタップして下さい。

「ステンレススパイラル」と言います

瓦を緊結する釘は、スクリュー型になっていて、相当な力がかからないと抜けません!交換も大変なくらいです。でも、全数緊結していないと、強風の際に1枚飛んでいったら、下から風に煽られて…(後は分かりますよね)

打撃面の幅は「5分(15mm)です。すぐに大きさが測れます!

写真は、瓦工事用の金槌で、瓦を加工し易いように、打撃面を、四角に、反対側は、瓦に穴を空けたり、目印の傷をつけるための尖った形状から通称「トンガリ」です。僕は瓦職人のシンボルだと思っています。打撃面は、タングステンでできていて、とても硬度が高く、形状も「あれ」なので、手を叩いた時には、しっかり目が覚めます(笑)柄には、目盛りも付いていて、とても便利です。

唐突ですが、僕は歴史が大好きです!とてもマニアックな話になりますが、木造住宅の耐震性については、明治24年10月28日に濃尾地方で起こったマグニチュード8の大地震である「濃尾地震」がきっかけで研究が始まりました。死者7273人、負傷者1万7175人、全壊家屋は14万2177戸を越えた大災害です。

①中小の地震では建物は損壊しない

②ごくまれに起こる大地震に対して崩壊せず人命と財産を守る

事を目的に、研究が重ねられ、昭和25年に「建築基準法」その後の伊勢湾台風や阪神淡路大震災、前述の房総半島の台風被害等を経験して現在があります。被災者の叫びを思うと、責任をより一層感じます。

今でもガイドライン工法について「不十分だ」「なぜ?」といった意見もあり、反発する声も聞きます。しかし、何もしない事は業界の衰退を意味します。

昨今の災害に対して業界も僕達も経験を糧に、反省と工夫の積み重ね、よりよい仕事、安心をお届けできるよう一丸となって取り組んでいきます!